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介護・福祉向けのICT補助金とは?申請の流れや対象となる事業などを紹介

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「ICT化」「ICT補助金」という言葉を耳にすることが増えてきましたが、聞いたことはあるでしょうか?ICTとは「Information and Communication Technology」の略です。介護事業所では、業務の効率化や働く職員の業務負担軽減を目的としてICT導入が増えていますが、一方で、ICT化には導入のための費用がかかります。

厚生労働省では、各都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金を活用して、対象のICT機器を導入する福祉事業所へ補助金を給付する制度があります。要件を満たして補助金を利用できれば、通常と比べて導入費用が抑えられるでしょう。

申請方法や対象事業などを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

介護や福祉・保育向けのICT補助金とは?

ICT補助金とは、厚生労働省が2019年から各都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金を活用して、ICT機器を導入した介護や福祉・保育事業所への補助制度のことを指します。

自治体が実施する補助金制度のため、申請期間や時期、補助金額、補助の対象などが地域によって異なります。

参考:厚生労働省「介護テクノロジーの利用促進
参考:厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業

ICT補助金の目的

ICT導入は、業務の効率化、働く職員の職場環境の整備、サービスの質の向上などが期待できますが、導入費用が高いことも重なり、導入に至らないケースも多いでしょう。

また、ICT機器だけを導入しても「どのように活用してよいのか分からない」という現場の声や、機器を活用できずにさらなる業務負担となってしまう恐れがあります。加えて、ICT機器を購入しても、すぐに事業所の収入増加や業務負担軽減に結びつくわけではありません。

そのため、補助金は「ICT導入支援事業」と位置づけ、導入計画の策定、導入効果の報告を義務化し、単なる導入費用負担の軽減だけでなく、導入後の活用・促進や、業務・環境改善による負担軽減などの目的を担っています。

対象となる企業や事業

ICT補助金の対象施設は、介護事業の場合、介護保険法による指定または許可を管轄する自治体で受けている介護サービス事業者です。通所・入所の違いは関係なく、対象となっています。

その他、障害者支援施設、保育関係は、保育所や認定こども園など保育施設や保育事業、自治体によっては児童館も補助金対象施設になっていることがあります。

ICTは、介護・福祉向け補助金です。IT導入補助金とは、対象となる企業や事業が異なるので注意しましょう。

補助金の範囲

介護施設の場合、補助金の範囲は、介護施設の規模や働く職員の人数によって異なります。また対象となる施設であっても、ICT導入支援事業の要件があります。

例えば介護事業所の場合、LIFE(科学的介護情報システム)の活用、導入計画策定と導入効果の報告、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が推進する「SECURITY ACTION」で情報セキュリティー対策に取り組むことを宣言することなどが求められます。

また冒頭でも解説した通り、ICT補助金は各自治体が行っている補助金制度です。隣県では認められたケースが他県では認められないことや、申請期間・補助金額や補助対象が異なる場合があるので、管轄の自治体へ確認することをお勧めします。

ICT補助金とIT導入補助金の違い

「ICT補助金」は、各都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金を活用して行われる自治体が実施する制度です。

一方で「IT導入補助金」は、経済産業省が実施する中小企業や小規模事業者に向けて行われている制度で異なる補助金のため、要件や申請期間も同じではないので気をつけましょう。

対象となる事業

IT導入補助金の対象となる事業は、飲食や宿泊、卸売り、小売り事業者、医療や看護など幅広い業種の中小企業や小規模事業です。

介護・福祉事業者は、規模によって補助金の申請は可能ですが、IT導入補助金は福祉分野に特化した補助金ではありません。あくまで中小企業や小規模事業が対象で、ICT補助金とは事業が異なることに注意してください。

補助金を扱う管轄

ICT補助金の管轄は、厚生労働省です。都道府県に設置されている地域医療介護総合確保基金を活用しているため、自治体によって補助される金額や対象となるICT機器、申請期間が異なります。

一方でIT導入補助金は、中小企業や小規模事業が対象となる制度で、管轄は経済産業省です。各自治体で決定しているものではないため、地域によって補助される金額や、IT導入の対象となるIT機器に差があることはありません。

補助金の金額

ICT補助金の場合、自治体によって金額が異なりますが、基本的には施設の規模や働く職員の人数によって限度額が定められています。補助率に関しては、多くの自治体で限度額以外にICT導入費用の2分の1や4分の3以内などと決めているところが少なくありません。

またICT補助金以外にも関連する補助金でICT導入が可能な場合もあります。運営している事業所が所在する自治体で確認しましょう。

一方でIT補助金には、目的に応じて「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「インボイス枠(電子取引類型)」「セキュリティ対策推進枠」「複数社連携IT導入枠」の5種類があります(※)。要件が異なるため、事業所がどこに該当して、何を目的としてIT導入を進めるのかによって申し込みが可能です。

※IT導入補助金2024年の場合

ICT補助金の重要性

ICT導入は、業務の効率化、働く職員の負担軽減、サービスの質の向上には欠かせないといわれますが、導入には事業所規模によっては高額な金額がかかります。そのため、事業所での費用負担だけでは導入が難しいケースもあります。

そこで活用されるのがICT補助金です。活用を促進する上でも、ICT補助金は非常に重要な役割を担っています。

デジタル化の促進

多くの介護事業所では、利用者の方の状況をサービス提供記録としてまとめています。紙ベースで作成する場合、対応する職員によって時間は異なりますが、かなりの時間がかかり、業務を圧迫する原因となっています。

記録や文書作成をデジタル化すれば、業務の効率化や職員の業務負担軽減につながるでしょう。

介護サービスの質を向上させる

ICT機器を導入することにより、業務の効率化や働く職員の業務負担の軽減ができることで、職場の環境改善を図ります。

日々の業務に追われる職場では働く職員も気持ちに余裕が持てません。決められた仕事をこなすことが精いっぱいでサービスの質の向上を目指すことは難しいでしょう。

一方で、ICT機器の導入をきっかけに業務改善された職場は働きやすく、働く職員のモチベーションが上がります。結果、働く職員の気持ちにも余裕が生まれて考えながら介護に取り組め、介護サービスの質の向上につながっています。

ICT補助金を活用する利点

ICT補助金を活用する利点は、導入費用の負担軽減、ICT導入計画の作成や導入効果の報告が必要な点が挙げられます。ICT導入は業務改善や働く職員の負担軽減に欠かせないと理解していても、新しいシステムの導入や機器の購入には高額な費用がかかることがネックでした。ICT補助金を活用することで、導入費用が抑えられます。

また、ICTを導入することで業務改善や働く職員の負担が軽減されるわけではなく、日々の業務にICT機器を活用していくことで環境整備ができ、結果、業務の効率化につながることも報告されています。

ICTを働く職員が活用できなければ、さらなる業務負担となる恐れがあります。ICT補助金を活用するために導入計画の作成や導入効果の報告を行うことで、働く職員が十分に機器を活用できる技術を身に付けることが可能となるでしょう。

ICT補助金の申請に関する流れ

ICT補助金の申請は、自治体によっては交付申請の前に自治体からのヒアリングが行われる場合もありますが、基本的には以下の流れに沿って行われています。

  1. 事業所における業務負担の洗い出し
  2. ICT導入計画を作成し、交付を申請
  3. ICT機器を導入し、活用する
  4. 導入後の業務について効果を検証し、報告する

1の業務負担の洗い出しは、現場の職員が負担と感じている業務の抽出から行われます。ICT機器導入だけでは業務負担の軽減や職場環境の改善に至ることが難しいため、現場の職員からのヒアリングなどにより、負担となっている業務の改善、ICTを導入することでどのような働く環境をつくっていきたいのかを具体化していきます。

2のICT導入計画は、実際の業務の中でどのようなICT機器を導入して、活用の仕方の計画を作成します。機器を導入し、生産性向上が可能な取り組みである事の要件を満たすと、補助額が上乗せの補助が受けられます。

3では、計画に基づいてICT機器を導入し、現場で活用していきます。

4は、導入後の効果の検証です。自治体が定める様式で厚生労働省へ検証結果を報告します。2年間の報告が必要です。

ICT補助金以外の職場環境改善事業

参考:厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業

ICT導入補助金以外に、以下に挙げる職場環境改善事業があります。介護サービス事業者の生産性向上や協働化などを通じた職場環境改善事業、通称「介護現場デジタル改革パッケージ」といわれる事業です。

この事業は大きく「介護テクノロジー定着支援事業」「地域における介護現場の生産性向上普及推進事業」「協働化・大規模等による職場環境改善事業」の3つに分かれています。

補助の要件は、業務改善計画の作成や報告、業務改善に係る効果の報告などです。効果の報告は、補助を受けた翌年度から3年間です。ICT補助金は2年間で、報告期間が異なるので注意しましょう。

介護ロボットなどの導入支援

介護ロボットなどの導入支援は、介護テクノロジー定着支援事業の1つです。介護ロボット、見守り機器の導入に伴う通信環境整備(WI-FI設備)、その他生産性向上に資すると、都道府県が判断した機器を導入した場合、補助が受けられます。

移乗や入浴支援、都道府県が判断した介護ロボットを導入した場合は1機器あたり、100万円。その他、移乗や入浴支援、都道府県が判断した機器以外の介護ロボットを導入した場合は、30万円です。

加えて、見守り機器を導入するための通信環境整備には、事業所あたり750万円までの補助が受けられます。

ICTなどの導入支援

ICTなどの導入支援は、介護テクノロジー定着支援事業の1つです。

一気通貫の介護ソフトなど、タブレット端末・通信環境機器、保守経費・その他の勤怠管理やシフト表作成、AI(人工知能)を活用したケアプラン原案作成支援ソフトなどの導入を行った場合、職員数によって補助が受けられます。

1事業所あたり、職員数によって、100万円から最大260万円までの補助が可能です。

導入支援と一体的に行う業務改善支援

導入支援と一体的に行う業務改善支援は、介護テクノロジー定着支援事業の1つです。

介護ロボットなどの導入支援とICTなどの導入支援により、テクノロジーを導入する事業所には必須です。第三者による業務改善支援や介護現場における生産性向上の取り組みに関する研修・相談などを行った場合、1事業所あたり45万円または、48万円の補助を受けることができます。

面的支援によるモデル施設の育成・モデル地域づくり事業

「面的支援によるモデル施設の育成・モデル地域づくり事業」は、地域における介護現場の生産性向上普及推進事業の1つです。

対象となる経費は、介護ロボットやICTなどのテクノロジーの導入、テクノロジー導入に向けた職員に対する研修、業務コンサルタントの活用、好事例集の作成、その他本事業に必要と認められるものです。補助上限額が1モデルあたり2,000万円の補助が受けられます。

対象とする事業所数に制限はありませんが、1都道府県あたり3モデルが上限です。

ケアプランデータ連携による活用促進モデル地域づくり事業

「ケアプランデータ連携による活用促進モデル地域づくり事業」は、地域における介護現場の生産性向上普及推進事業の1つです。

対象となる経費は、介護ソフトやパソコンなどの連携システムの利用に必要な機器など、ケアプランデータ連携システムの活用に係る研修、業務コンサルタントの活用、タイムスタディ調査やヒアリング調査、好事例集の作成、その他本事業に必要と認められるものに対して、補助上限額が1モデルあたり850万円の補助が受けられます。

この事業についても対象とする事業所数に制限はありませんが、1都道府県あたり5モデルが上限です。

協働化・大規模化等による職場環境改善事業

「協働化・大規模化等による職場環境改善事業」は、小規模法人を1つ以上含む複数の法人による事業者グループが協働化などを行う取り組みを支援している事業です。

対象となる経費は、人材募集や一括採用や合同研修などの実施、従業者の職場定着や職場の魅力発信に資する取り組み、人事管理システムや福利厚生などのシステム・制度の共通化、事務処理部門の集約や外部化、各種委員会の設置や各種指針の策定など、協働化などに合わせて行うICTインフラの整備、協働化などに合わせて行う老朽設備・備品の更新・整備、経営および職場環境改善などに関する専門家からの助言、その他本事業に必要と認められるものに対して、補助上限額が1事業所グループあたり1,200万円の補助を受けることが可能です。

事業者グループを構成する1法人ごとに120万円で、1事業所グループあたり最大1,200万円、補助事業者グループに含まれる事業者数に上限はありません。

参考:厚生労働省「介護テクノロジー導入支援事業」

まとめ

自治体によって異なりますが、介護サービス事業者へのICT導入補助金は、介護・障害福祉分野へのICT・ロボット導入などによる生産性向上や経営の協働化などを通じた職場環境の改善のためにさまざまな事業が行われています。

施策によって、介護サービスの需要の増加への対応、介護人材不足の中、介護現場の業務改善や効率化、環境改善を図り、働きやすい職場づくりを目指しています。

それぞれの事業には要件があるので、ぜひ確認してみてください。ICT導入補助金を活用して業務の効率化やサービスの質の向上を目指し、働きやすい職場環境を整えましょう。

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