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介護記録は手書きではなく電子化が主流?書き方やメリットを紹介
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福祉業界だけでなく、さまざまな業界でICTが導入され、電子化が進んでいることは知っていますか?多くの事業所では、ICT導入によって介護記録は手書きから電子化されるようになりました。
ここでは、電子化された介護記録について、書き方やメリットについて解説していきます。日々の業務に生かしてください。
目次
介護記録が手書きの施設が多いのはなぜ?

介護業界では契約書を交わすときはもちろん、利用が開始になってからも介護計画の説明など、事業所と利用者の間で紙ベースでのやり取りをすることが少なくないでしょう。情報共有の行いやすさからシステムが導入されるようになりましたが、紙ベースのやり取りも多いため、介護記録も手書きで行っている施設があります。
介護記録を手書きで作成する際のメリット
介護記録を手書きで作成するメリットは、3つあります。
①手書きに良い印象を持つ人もいる
介護は人相手の仕事です。手書きに良い印象を持つ人も多いため、システムを導入し、機械的になると冷たい感じる傾向があります。
サービスによって異なりますが、訪問系の場合は家族とのやり取りが多くなるでしょう。日々の様子を伝える際に、手書きの記録の方が温かい印象を与えます。
②柔軟な記録が可能
手書きは柔軟な記録が可能です。システムでの記録は定型がある、文字数の制限がある場合が多く、記録したい内容が全て記入できない場合があります。
手書きの場合は文字数の制限がなく、たくさん書きたいと思えば字を小さくすればよく、逆にあまり記入することがなければ大きな文字にするなど、さまざまに対応できます。
③故障や災害時でも記録を作成できる
手書きの記録は、機械の故障や災害で停電になっても記録を作成できます。一方で機械を利用しての記録は、壊れたり電源が確保できなかったりすれば記録ができなくなります。
いつでもどこでも記入ができるのは、介護記録を手書きするメリットです。
介護記録を手書きで作成する際のデメリット

介護記録を手書きで作成する際のデメリットは、3つあります。
①書き手によっては読みにくくなる可能性がある
手書きは書き手によって癖があり、読みにくい場合もあります。その点、機械を使用して記録すれば文字の字体が選べ、書き手の癖もないため、読みやすくなります。
②記録の共有や検索に時間がかかりやすい
手書きの場合、記録を共有したい場合に同じことを何度も記入しなければならず、手間がかかります。また、ファイルにつづる形で手書きの記録を保存していきますが、後から探したい場合に検索機能がないため1枚1枚確認しなくてはならず、時間がかかります。
③紛失や劣化のリスクがある
紙ベースでの記録は、ファイルしていても紛失の恐れがあります。また、年数が経過すれば劣化し、使用したペンによっては消えてしまうなど、記録として機能しなくなるリスクがあるでしょう。
介護記録を手書きから電子化することでさまざまな効果を期待できる

文書作成時間の短縮がかなう
介護記録を電子化すれば、文章作成の時間が大幅に短縮されます。
手で書く場合、書くスピードが速い人であっても限度はあるでしょう。また、文字数が多くなると疲れます。一方、電子化の場合は入力の速度だけで多くの文字であっても文書作成の時間は一定になり、時間短縮につながります。
コア業務に専念できる
介護記録を電子化することで、メインの業務に専念できます。
手書きの場合、コア業務もノンコア業務も補助的なことも全て1人で請け負う形になり、業務の負担が増えます。電子化することでノンコア業務は分けて考えられ、業務効率が期待できるでしょう。
情報共有の円滑化がかなう
介護記録の電子化は、情報共有の円滑化につながります。
手書きの記録だと、同じことを何度も書くのは簡単ではありません。そのため、その場での記録になってしまい、情報が伝わらないことが多々あるでしょう。一方、介護記録を電子化することでいつでもどこでも誰でも確認できます。情報が伝わりやすく、共有が行いやすいといえます。
手書きの介護記録を電子化するには?

手書きの介護記録を電子化することは、働く職員の業務負担軽減につながるといわれていますが、説明もなく、いきなり導入することは困難です。まずは、介護記録を電子化する前の課題について整理しましょう。
第1に、パソコンやICTに苦手意識を持っている人は大勢います。福祉業界には幅広い年齢層の職員が働いており、年齢層の高い職員が他の業界に比べて多いため、ICT機器の使用方法が分からず、電子化を導入してもなかなか定着できないかもしれません。
そのため、導入の前に苦手意識が払拭(ふっしょく)できる機会を持つとよいでしょう。定期的な研修や本格導入を前にお試し期間を設けるなど、電子化することが負担なく行える環境を整えることが大切です。
第2は、電子化の知識を事業所へ広めることです。電子化することによって何が変わるのか、便利になるのか、業務改善になるのかを明確にしてください。理由がないと、電子化が業務のさらなる負担となりかねません。電子化することによる業務の効率化が理解できる取り組みが必要です。
第3は、電子化に精通した人材の確保です。電子化についての研修や業務負担軽減につながることは繰り返し説明しくべきですが、働く仲間の中に精通している人材がいると安心できます。ITに不案内な人ばかりだと導入途中で電子化が止まってしまう恐れがあるため、主導権を持って電子化を進められる人材がいるとよいでしょう。
介護記録を手書きから電子化する際にしたいこと
介護記録を手書きから電子化する際に行いたいことは、以下の3つです。
手書きに慣れている人にも分かりやすいマニュアルや研修を行う
電子化を導入する場合、誰にでも分かりやすいマニュアルや研修を行うことが大切です。手書きに慣れている人は、少しでも分からないことがあると、手書きに戻してしまう恐れがあります。
同じ事業所内で電子化の記録と手書きの記録が混在すると、業務負担となってしまいます。事業所内で電子化することが業務改善につながることを説明し、繰り返し研修を行うことで、誰でも電子化が継続できるようにしていくとよいでしょう。
介護記録を手書きから電子化する目的を共有する
介護記録をなぜ電子化した方がいいのか、目的を事業所全体で共有します。介護記録を手書きから電子化することは、業務負担の軽減や情報共有を進めていくために重要です。
一方で、電子化だけが事業所内で独り歩きをしてしまうと、目的が理解されず、職員間ではさらなる業務負担になる恐れがあります。働く職員、利用者やその家族、関係機関にとっても利便性が高いことを伝えてください。
介護記録を電子化した施設を参考にする
「介護記録を電子化することは業務負担軽減につながる」といわれても、本当に軽減できるのか理解できない人も多いでしょう。その場合は、例えばタブレットを導入することでその場で入力ができる、システムに入力することで情報共有がスムーズになったなど、改善ができた事業所を参考にしてみてください。
手書きによる介護記録に慣れている人でも使いやすい介護ソフト
手書きによる介護記録に慣れている人でも使いやすい介護ソフトを、4つ紹介します。
まもる君|株式会社インタートラスト

介護ソフト「まもる君クラウド」は、クラウド型の介護ソフトです。介護請求、介護記録、計画書作成など、さまざまな機能を利用できます。居宅介護支援事業所と在宅サービスで連携できる「ケアプランデータ連携システム」や「科学的介護情報システム(LIFE)」にも対応しています。
スマートフォンやタブレットからも介護記録の作成が可能です。「画面がみやすい」「操作がしやすい」「サポートが手厚い」などの口コミが多く、介護ソフトに不慣れな事業所でも使いこなせる点が特徴です。対応サービスは、居宅介護支援、通所サービス、訪問サービス、福祉用具貸与、高齢者住宅です。
利用料金は介護ソフトの中では安価で、初期費用は0円、対応サービスや追加システムによっても異なりますが月額7,800円から利用できます。サポート費用やバージョンアップ費用は無料。60日間の無料お試しもできるため、不安がある方でも導入しやすいでしょう。
ケア記録アプリ|株式会社介護サプリ

「ケア記録アプリ」は、現場で必要な記録に特化した介護記録専用のシステムです。入力は
iPadで行い、データはクラウドで管理されます。対応サービスは在宅サービスから施設サービスまで幅広く対応しています。
多くの現場では、介護システムを導入しても、システムに入力するために紙ベースで記録を残し、パソコンへ入力するという二重の手間がかかっていたことが業務負担となっていました。介護サプリのケア記録アプリは、シンプルな画面と使いやすさを追求しています。
タブレット画面は、タッチペンでの手書き入力や選択式による定型文入力が可能です。
基本的には、iPadとパソコンがあれば月額5,500円から始められるため、手軽に導入できます。
c-report|株式会社エタンセル

「c-report」は現場がつくった介護記録アプリで、現場の業務を軽減したい、簡単にしたいという声から生まれたクラウド型介護システムです。在宅サービスから施設サービスまで、幅広く対応しており、導入費用が月額2万2,000円〜と、手軽に始められます。
機能は、スマートフォンの音声入力機能で文字入力が可能なことや、記録にアラートが付けられるため、見落としが防げます。
Care-Wing|株式会社ロジック

「Care-wing」は、LIFEに対応している、訪問系に特化したクラウド型介護ソフトです。
長所は、ICタグにスマートフォンをかざすだけで介護記録が入力できることや、訪問サービスごとに複数枚の写真を添付できること、バイタルチェックやケア記録がさまざまな帳票と連携でき国保連請求データへの反映も自動化できる、クラウド上でシフト作成が可能、ガイドラインに沿った指示出し機能がある点です。
一方で、初期費用はICタグの費用やスマートフォンのレンタル代など基本プランと合わせてコストがかかります。
まとめ

介護記録は、手書きではなく電子化していくことで業務負担軽減につながります。一方で、なぜ電子化が必要なのかを職員にしっかりと説明し、ルールをつくっていく必要があります。ルールがないまま業務改善のために電子化だけを進めていくと、事業所内で理解ができず、業務負担になる恐れがあります。電子化の目標を定め、不安がないように研修しながら導入を進めましょう。
電子化に関しては、初期費用が少なく、利用ができる介護システムが複数あります。働いている事業所に合ったものを職員と一緒に考えましょう。