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介護コラム
介護記録ソフトのメリットとは?活用方法や無料版と有料版の違いも紹介
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「事務作業に追われてしまい、人手が足りない」「ケアに集中できる環境をつくりたい」という悩みはありませんか?
介護事業所では、運営に関わる事務作業が非常に多く、人手不足も重なると事務作業に大幅に時間を取られがちです。介護記録ソフトを導入することで作業の効率化を図り、結果事業所のサービス向上を実現できます。
この記事では、介護記録ソフト導入のメリットや活用方法に加え、おすすめの介護ソフトをそれぞれの特徴を踏まえて解説していきます。
介護記録ソフトとは?
介護記録ソフトとは、介護施設などで利用者の基本情報やサービスの実施状況などを記録し、保存するためのシステムのことです。
介護記録ソフトを利用することで、介護記録の作成や帳票の保管・作成、請求データへの実績の入力などを効率化できます。居宅介護支援事業所、通所介護事業所、訪問介護事業所などで利用されています。
介護記録ソフトを導入するメリット
介護記録ソフトの機能はサービスにより異なりますが、主に利用者の情報管理、アセスメントやケアプラン作成、ケア記録、実績管理、請求管理などの事務作業を効率化するために導入されています。
ここでは、介護記録ソフトを導入することで得られるメリットを3つ紹介します。
効率的に介護記録を作成できる
介護施設では、介護サービスを実施しながら、バイタルや食事摂取量・水分量などのさまざまな情報を記録します。さらに帳票作成やほかのスタッフへの情報共有も並行して行わなければなりません。
また記録を手書きするとなると、清書や転記の作業が増えるほか、書類の保管場所も考慮する必要があります。
介護記録ソフトやひな形を使用すれば記録の入力を省略でき、さらに他部署との情報共有もネットワークを通じてすぐに行えるため、時短につながります。
必要な情報を簡単に探せる
紙の書類で情報管理していると、欲しい情報を探すのに時間がかかってしまいます。さらに利用者が増えると、それに伴って管理する情報量も増えていき、管理が難しくなるでしょう。
介護記録ソフトに情報を入力すると、知りたい情報を検索することで簡単に閲覧できます。例えば、利用者の名前と日付で検索すればその日に受けたサービス内容、食事摂取量、服薬情報などの全ての情報の閲覧が可能です。
ペーパーレス化によって経費削減を期待できる
情報を紙やファイルの書類で管理していると、用紙やファイルの費用がかかるだけでなく、保管するためのラックやその他の備品の管理も必要になります。
介護記録ソフトを使用し、ペーパーレス化することで備品の経費を抑えられ、経費の削減ができるでしょう。
介護記録ソフトの活用方法
介護記録ソフトを活用していくポイントは、主に3つあります。
- タブレット・スマートフォンを活用する
- 紙媒体の書類の使用をやめる
- スタッフにソフトの使い方の教育を行う
介護ソフトはパソコンだけでなく、社用タブレットやスマートフォンでも接続して使用できるものが多いので、利用者の介助をしながらでもさまざまな場所で記録を残せます。
また、ソフト導入の利点は「手書きで他の書類に転記する手間を省ける」という点です。せっかくソフトを導入しても、紙の書類を二重で用意していたら意味がありません。早い段階で操作に慣れるためにも、スタッフに使い方を教育するとともに、ペーパーレス化を意識しましょう。
介護記録ソフトの無料版と有料版の違い
無料の介護ソフトは導入へのハードルが低いことがメリットですが、機能が制限されているなど使用しているうちに使いにくいと感じる場合があります。さらに、法改正やアップデートが遅い場合が多く、サポート体制もほとんどありません。
無料介護ソフトは、予算を抑えつつ手軽に導入しやすいので新設の事業所や小規模事業所に向いていますが、中~大規模事業所や居宅・訪問介護を行う事業所には有料ソフトの導入をおすすめします。
おすすめの介護記録ソフト13選
これから介護記録ソフトの導入を検討している方は、どのような点に注目してソフトを選んだらいいのでしょうか。
介護記録ソフトといってもさまざまな企業が展開しており、使える機能も特性も異なります。事業の方針や、導入する目的に合わせてソフトを選択することが重要です。ここでは、介護記録ソフト13選をおすすめのポイントを挙げながら紹介していきます。
まもる君クラウド|株式会社インタートラスト
「まもる君クラウド」は介護請求や記録をワンストップで行えるクラウド型介護ソフトです。
パソコンやスマートフォン、タブレットにも対応しており事業所のどこにいても情報の記録・確認・共有ができます。さらに協会最低水準価格(月額7800円~)で利用が可能で、コスト削減につながるでしょう。
主なポイントは以下の3点です。
- 全ての項目ごとに並べ替えができ、一目で対象者を確認できる
- 利用者の顔写真や注意事項が簡単に登録できる
- パソコンやスマートフォンでの利用に適した機能を実装
また、初期費用・サポート費用・法改正費用は完全無料、さらに利用者や利用パソコンが増えても定額で利用できるため、コストパフォーマンスを求める事業所におすすめです。
カイポケ|株式会社エス・エム・エス
「カイポケ」は、介護・福祉・医療向けのオールインワンクラウド型経営支援サービスです。保険請求や実績作成だけでなく、勤怠管理や給与計算、シフト管理までできます。
主なポイントは以下の6点です。
- 介護サービスの計画・実施から記録・請求まで全て一気通貫で行える。
- スタッフのシフトや送迎表作成などのバックオフィス業務も簡単に作成
- 介護転職情報サイト「カイゴジョブ」に無料で求人広告を掲載できる
- 早期入金と口座振替サービスを用意、最短5営業日で資金化できる
- 事業所オリジナルのホームページを無料で簡単に作成できる
- カイポケの専用通販サイトで備品を低コストで購入できる
ケアに関する業務だけでなく、付随する周辺業務までの作業を幅広くカバーする豊富なラインアップが強みです。
ケアカルテ|株式会社ケアコネクトジャパン
「ケアカルテ」は、介護・障害福祉サービスで行われる「記録・プラン・請求」までの運営をトータルでサポートする介護ソフトです。
主なポイントは以下の3点です。
- 記録帳票のカスタマイズ力が高く、ソフトに合わせて運用を変える必要がない
- ケア記録を音声やタブレット端末で簡単に入力でき、リアルタイムで情報共有が可能
- 記録をもとに自動でチェックシートや連絡ノートが作成でき、事務作業に割く時間を削減
ケアカルテは「初期費用+年間保障」という料金形態ですが、最初の5年以降は初期費用が不要で、年間保守の支払いのみになります。他の料金形態に比べ、長く使うほどお得になる可能性があるため、長期で利用を考えている事業所にもおすすめです。
ケアコラボ|ケアコラボ株式会社
「ケアコラボ」とは、介護記録に完全特化した介護記録ソフトです。
主なポイントは以下の3点です。
- SNSのタイムラインのような表示で利用者の普段の様子が見やすい。写真やコメントも投稿できる
- ご家族とケア記録を共有でき、信頼関係を強められる
- 記録した瞬間にスタッフ間で共有できる
ケアコラボの強みは、誰でも直感的に操作できる画面のシンプルさにあります。パソコン入力が苦手な方でも、マニュアルを見ることなく簡単に操作が可能です。
ワイズマンシステムSP|株式会社ワイズマン
「ワイズマンシステムSP」は、居宅介護支援事業所やデイサービス、ホームヘルパーなどの介護・福祉サービスを幅広くカバーする豊富なラインアップの介護業務支援ソフトです。
主なポイントは以下の3点です。
- 請求処理や集計資料の出力からタブレットを活用したケア記録まで、介護保険サービス全体をカバー
- 医療・介護連携サービスの「MeLL+(メルタス)」と連携することで医療と介護の情報共有をシームレスに実現
- 連携できる他社や部外システムが充実
施設の規模や形態に合わせて必要なソフトを無駄なく組み立てられるため、複数の事業を展開している大規模事業におすすめです。
ほのぼのNEXT|NDソフトウェア株式会社
「ほのぼのNEXT」は、7万2400以上の事業所で利用されている、豊富な導入実績を持つ介護業務支援ソフトです。
主なポイントは以下の4点です。
- オンプレミスだけでなくクラウドにも対応しており、ウイルス対策や離れた施設との連携も万全
- タブレット端末に対応し、簡単に介護記録を入力できる
- キーボードを使わずに音声入力できる
- 介護ロボットやナースコール、ベッドセンサーなどの豊富な外部システムとのAPI連携ができる
ほのぼのNEXTを含むシリーズは5年間の使用権パックを購入するという利用形態や、標準装備の機能やサービスが充実していることもあり、価格がやや高めの設定です。
ケア樹|株式会社グッドツリー
「ケア樹」は介護サービス22種に対応したクラウド型介護ソフトです。
主なポイントは以下の 5点です。
- シンプルで見やすい画面で直感的に操作できる
- iPadアプリに入力することでどこでも記録や報告書作成できる
- LIFEの登録・集計・出力に完全対応
- 見守りシステムやバイタル測定機器などとAPI連携してすぐにデータ確認できる
- スタッフごとに閲覧制限ができ、情報管理が安全
法改正でのシステム更新やバージョンアップは無料で自動対応しています。業務効率化とコスト削減を両立できるのが強みです。
介舟ファミリー|株式会社日本コンピュータコンサルタント
「介舟ファミリー」は、介護・障害福祉の業務ICT化に役立つ総合型の介護福祉ソフトです。
主なポイントは以下の4点です。
- 通所型・訪問型を問わず、事業所の期待に合わせて利用しやすい充実したスケジュール管理機能
- 資格の有無や稼働時間帯、サービス内容に応じた簡易給与計算機能によって給与計算業務の負担を軽減
- 送迎管理機能を使って、送迎スケジュールを簡単に作成。利用者の送迎先の複数登録も可能
- サポートセンターは応答率98%、緊急で相談したい場合も安心
導入時や初回請求時は担当者が訪問し、導入後も電話と遠隔サポートを受けられます。このような万全なサポート体制もおすすめのポイントです。
Blue Ocean|株式会社 ブルーオーシャンシステム
「Blue Ocean」は、最先端のクラウド技術をベースに開発された、介護・医療・福祉分野で役立つシンプルで見やすいケア記録管理システムです。
主なポイントは以下の3点です。
- タッチ入力やアニメーションで操作を誘導する機能、画面の拡大縮小など、操作性が非常に高い
- 場面ごとに必要な項目を組み合わせることで記録フォームを最適化できる
- 見守りセンサーやインカムなど、各社の製品との連携が可能
Blue Oceanは高い操作性と画面の見やすさで、介護記録がスムーズにできる点が強みです。記録機能を重視している事業所におすすめです。
スマイリオ 訪問介護|株式会社シスラボ
「スマイリオ訪問介護」は、訪問介護向けのクラウド型記録専門ソフトです。
主なポイントは以下の3点です。
- ほとんどの記録がスマートフォンで解決でき、人工知能(AI)機能搭載で文章の自動作成・入力を実現
- スマートフォンから記録した情報はリアルタイムでパソコンに即時反映され、迅速な情報共有ができる
- 請求ソフトとも連携でき、請求作業がスムーズになる
スマイリオは屋外でもモバイル端末で操作がしやすく、スピーディーな文章作成が強みで、訪問介護を行う事業所におすすめのソフトです。ホームページから会員登録すると、お試し版が無料で利用できます。
寿|株式会社南日本情報処理センター
「寿」は、医療介護連携に強く、サポート体制も充実した介護記録ソフトです。
主なポイントは以下の3点です。
- 請求・記録・経営資料作成をワンパッケージで行え、法人全体のデータ統合が可能。複数事業所の請求も1カ所でできる
- 複数機能を同時に立ち上げられるため、「アセスメントを見ながらケアプラン作成」「記録を見ながらアセスメント」が可能
- どのパソコンでも使える同時接続ライセンスのため、初期コストが抑えられる
医療連携に関する機能が充実しているので、老健など医療との連携が多い事業所におすすめです。
Care-wing|株式会社ロジック
「Care-wing」は、介護記録と業務効率化に特化したクラウド型介護記録ソフトです。
主なポイントは以下の3点です。
- ICタグにスマートフォンをかざすだけでサービスの提供開始・終了をスムーズに管理
- 記録は音声入力・写真での記録に対応し、ITツールが苦手なスタッフも安心
- さまざまな請求ソフト連携にも対応し、介護記録から実績データを自動作成して請求ソフトに取り込めるため、入力ミスの心配がない
Care-wingの強みは、ICタグとスマートフォンとの連携によってサービス提供の漏れや訪問の漏れなどのミスを削減できる点です。
トリケアトプス|岡谷システム株式会社
「トリケアトプス」は、介護保険サービスと障害福祉サービスに対応したクラウド型介護ソフトです。
主なポイントは以下の3点です。
- パソコン操作が苦手な方でも直感的に操作できる画面構成のため、使い勝手がいい
- 現場から寄せられた声をもとに、必要な機能をスピーディーに実装
- 対応するサービスによって料金プランが分けられており、必要なサービスをコストを抑えて利用できる
トリケアトプスは、従量課金型の料金プランを採用しています。上限金額のある料金形態のためリスクが少なく、コストパフォーマンスに優れているため手軽に利用できます。
まとめ
介護記録ソフトは、事務作業を効率化するだけでなく備品のコスト削減や現場スタッフの負担軽減、利用者へのサービス向上にも役立つツールです。
開発企業によって介護記録ソフトも多様な機能が実装されており、選ぶソフトによって使える機能やデザインも異なります。今後導入を検討する場合は、事業所の特徴や作業する上で重視したい点などを挙げながらソフトを選ぶことをおすすめします。
今回紹介した介護ソフトの中でも、多くの事業所が重視する「直感的に操作できる画面の見易さ」と「充実したサポート体制」を備え、なおかつ高いコストパフォーマンスを実現しているソフトが「まもる君クラウド」です。特に介護ソフトを初めて導入する事業所は、一度検討してみてはいかがでしょうか。